「YouTube (Music)のプレイリストのギャップレス再生」の版間の差分
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では再生用のコマンドの設計を定める。現実にはプレイリストを丸ごと聴くとは限らないから、開始曲と終了曲を指定できるようにしたい。そこで今回は、 | では再生用のコマンドの設計を定める。現実にはプレイリストを丸ごと聴くとは限らないから、開始曲と終了曲を指定できるようにしたい。そこで今回は、 | ||
< | <syntaxhighlight lang="c">ytp "[開始曲のプレイリストID付きURL]" [再生曲数(指定なしあるいは0なら最後まで再生)]</syntaxhighlight> | ||
という構文で動作するytpというプログラムを作成する。丸ごと聴きたければ最初の曲のリンクを渡せばよい。Windowsにおいてはスタートボタンを押して「検索」欄に入力すれば任意のコマンドを実行できるので(※Windows 11のバージョン22H2ではバグで引数が読まれないので代わりにWin+Rを使うとよい)、YouTube Musicのプレイリスト画面から始めてかなり少ないステップで音楽を聴くことができるようになる。ここで「プレイリストID付きURL」と言っているのは、<code>https://[wwwまたはmusic].youtube.com/watch?v=動画のID&list=プレイリストのID&index=[数]</code>という形式のもので、このindexの部分から開始曲を取得する。<code>www.youtube.com</code>のほうではプレイリスト内の動画を右クリックして表示されるメニューからこの形式のURLをコピーできる。一方でYouTube Musicでは、アルバム画面で曲目を<u><strong>Shift+</strong></u>右クリックすれば同様にURLを得られるが、indexの部分が含まれていない。そこで今回は、[https://requestly.io/ <strong>Requestly</strong>]というブラウザ拡張機能(Chrome、Edge、Safari、FireFox等で使える)を使用し、YouTube MusicのWebページを書き換えてURLに<code>&index=[数]</code>を付加する。 | という構文で動作するytpというプログラムを作成する。丸ごと聴きたければ最初の曲のリンクを渡せばよい。Windowsにおいてはスタートボタンを押して「検索」欄に入力すれば任意のコマンドを実行できるので(※Windows 11のバージョン22H2ではバグで引数が読まれないので代わりにWin+Rを使うとよい)、YouTube Musicのプレイリスト画面から始めてかなり少ないステップで音楽を聴くことができるようになる。ここで「プレイリストID付きURL」と言っているのは、<code>https://[wwwまたはmusic].youtube.com/watch?v=動画のID&list=プレイリストのID&index=[数]</code>という形式のもので、このindexの部分から開始曲を取得する。<code>www.youtube.com</code>のほうではプレイリスト内の動画を右クリックして表示されるメニューからこの形式のURLをコピーできる。一方でYouTube Musicでは、アルバム画面で曲目を<u><strong>Shift+</strong></u>右クリックすれば同様にURLを得られるが、indexの部分が含まれていない。そこで今回は、[https://requestly.io/ <strong>Requestly</strong>]というブラウザ拡張機能(Chrome、Edge、Safari、FireFox等で使える)を使用し、YouTube MusicのWebページを書き換えてURLに<code>&index=[数]</code>を付加する。 | ||
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ちなみに、<code>www.youtube.com</code>のほうに強制的に遷移させる(履歴ごと上書きするために<code>location.replace</code>を使うのがよい)という方法もある。 | ちなみに、<code>www.youtube.com</code>のほうに強制的に遷移させる(履歴ごと上書きするために<code>location.replace</code>を使うのがよい)という方法もある。 | ||
< | <syntaxhighlight lang="javascript">new MutationObserver(() => { | ||
if (location.href.indexOf( | if (location.href.indexOf("youtube.com/playlist") >= 0) { | ||
urlAddIndex(); | urlAddIndex(); | ||
} | } | ||
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if (!playlist_node) return; | if (!playlist_node) return; | ||
for (const item of playlist_node) { | for (const item of playlist_node) { | ||
var index_node = item.querySelector( | var index_node = item.querySelector("div.left-items.style-scope.ytmusic-responsive-list-item-renderer > yt-formatted-string"); | ||
var title_node = item.querySelector( | var title_node = item.querySelector("div.flex-columns.style-scope.ytmusic-responsive-list-item-renderer > div.title-column.style-scope.ytmusic-responsive-list-item-renderer > yt-formatted-string"); | ||
if (!title_node || !index_node) continue; | if (!title_node || !index_node) continue; | ||
if (title_node.innerHTML.indexOf( | if (title_node.innerHTML.indexOf("&index=") >= 0) continue; | ||
if (index_node.innerHTML == | if (index_node.innerHTML == " ") continue;//for unavailable movies | ||
var newHTML = title_node.innerHTML.replace( | var newHTML = title_node.innerHTML.replace("\">", "&index=" + index_node.innerHTML + "\">"); | ||
title_node.innerHTML = newHTML; | title_node.innerHTML = newHTML; | ||
} | } | ||
}</ | }</syntaxhighlight> | ||
* Requestlyの要求権限には「すべてのウェブサイト上にある自分の全データの読み取りと変更」が含まれる。自己責任でインストールすること。 | * Requestlyの要求権限には「すべてのウェブサイト上にある自分の全データの読み取りと変更」が含まれる。自己責任でインストールすること。 | ||
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<ul> | <ul> | ||
<li><p>ytp.bat(最初に呼ばれるランチャー)</p> | <li><p>ytp.bat(最初に呼ばれるランチャー)</p> | ||
< | <syntaxhighlight lang="</syntaxhighlight></li></ul>"> | ||
set "snd=%2" | c cd %~dp0 set "snd=%2" if "%2"=="" set "snd=0" start "" "ytp-invisible.vbs" %1 %snd% "--fs=yes" "'--af=lavfi=[pan=stereo|c0=0.75''c0+0.25''c1|c1=0.25''c0+0.75''c1]'" ``` | ||
if "%2"=="" set "snd=0" | |||
start "" "ytp-invisible.vbs" %1 %snd% "--fs=yes" " | <pre>再生曲数が指定されていない場合は0を補う。<code>--af</code>オプションに関してはバックスラッシュとシングルクォートでエスケープしている(試行錯誤のすえ、とりあえずこれで問題なく動いている)。</pre> | ||
<ul> | |||
<li><p>ytp-invisible.vbs(bashを非表示で起動するためのvbs)</p> | <li><p>ytp-invisible.vbs(bashを非表示で起動するためのvbs)</p> | ||
< | <syntaxhighlight lang="</syntaxhighlight></li></ul>"> | ||
Set oWshShell = CreateObject("WScript.Shell") | visual basic Dim oWshShell Set oWshShell = CreateObject("WScript.Shell") Dim mpv_args For cnt = 2 To WScript.Arguments.Count - 1 mpv_args = mpv_args & " " & WScript.Arguments(cnt) Next oWshShell.Run """C:\Program Files\Git\bin\bash.exe"" -c 'ytpx.sh """ & Wscript.Arguments(0) & """ " & Wscript.Arguments(1) & mpv_args & "'", 0, False ``` | ||
Dim mpv_args | |||
For cnt = 2 To WScript.Arguments.Count - 1 | <pre>2つ目以降の引数をつなげて渡している。Runのオプションで0(非表示)、False(終了を待たない)を指定している。デバッグ時は0を1に変えておくとウィンドウが表示される。</pre> | ||
<ul> | |||
Next | |||
oWshShell.Run """C:\Program Files\Git\bin\bash.exe"" -c 'ytpx.sh """ & Wscript.Arguments(0) & """ " & Wscript.Arguments(1) & mpv_args & "'", 0, False< | |||
<li><p>ytpx.sh(処理を行う本体)</p> | <li><p>ytpx.sh(処理を行う本体)</p> | ||
< | <syntaxhighlight lang="</syntaxhighlight></li></ul>"> | ||
cd /path/to/mpv_dir | shell #!/bin/sh cd /path/to/mpv_dir ARR=(`echo <math display="inline">1 | sed -r "s/^.*(www|music)\.youtube\.com\/watch\?v=[^&]+&list=([^&]+)&index=([^&]+)</math>/\1 \2 \3/"`) if [ <math display="inline">{ARR[0]} = "www" ]; then | ||
ARR=(`echo | NA_OPTION="--compat-options no-youtube-unavailable-videos" | ||
if [ | |||
fi | fi | ||
INDEX= | INDEX=</math>{ARR[2]} if [ "$2" != "0" ]; then END_INDEX=`expr $INDEX + $2 - 1` fi shift 2 yt-dlp $NA_OPTION -f 251 --extractor-args "youtube:lang=ja" -O title -O url -I <math display="inline">INDEX:</math>END_INDEX ${ARR[1]} | sed '1~2 s/^/#EXTINF:-1,/' | sed '1i#EXTM3U' | ./mpv.exe --player-operation-mode=pseudo-gui --prefetch-playlist=yes --playlist=- $@ ``` | ||
if [ "$2" != "0" ]; then | |||
<pre>まず3行目で、長さ3の配列ARRに①”www”または”music”②プレイリストID③index、をそれぞれ入れる(動画IDは捨てる)。4~6行目で<code>--compat-options no-youtube-unavailable-videos</code>の有無を設定する。 | |||
fi | |||
shift 2 | |||
yt-dlp $NA_OPTION -f 251 --extractor-args "youtube:lang=ja" -O title -O url -I | 7~10行目では開始indexと再生曲数を用いて植木算をして終了曲のindexを計算している。&#36;2が0なら&#36;END_INDEXは未設定のため事実上は空文字列(終了曲の指定なし)となる。 | ||
最後がメインのコマンド実行である。yt-dlpを用いてタイトルと内部URLの一覧を取得する(なお<code>--extractor-args "youtube:lang=ja"</code>は日本語タイトルを取得しようとして入れてあるが、現状では(おそらくyt-dlpがwww&#46;のほうしか見ないため)効果なし)。フォーマットは最高音質の251を指定する。さらに、ここまでに計算した開始・終了インデックスを<code>-I</code>オプションで渡す。出力形式としてはタイトルと内部URLが交互に書かれた複数行テキストが返ってくる。 | |||
次に、mpvにm3u形式のプレイリスト(単にurlやファイル名を列挙する書式と違って、再生時のタイトルを指定できる)として渡すため、タイトルがある行(奇数行)の先頭に#EXTINF:-1,を付加し、さらに全体の先頭行に#EXTM3Uを付ける。そして最後にmpvの--playlistに対して標準出力(ハイフンで表される)を渡すことで、めでたくタイトル付きで音声をギャップレス再生できる。動画データを渡していないので画面は真っ黒である。 | |||
追加のmpvのオプションとしては、バッチファイルから渡されてきたものに加えて、CUIからの実行でもGUIを強制する<code>--player-operation-mode=pseudo-gui</code>とWeb上リソースのギャップレス再生に有効な<code>--prefetch-playlist=yes</code>を指定しているが、古いバージョンではさらにオプションが必要かもしれない([MPVとギャップレス再生](/MPVとギャップレス再生) も参照)。もちろん、スクリプト内ではなくmpv&#46;confで指定してもよい。 | |||
なお(lib)mpvを内部で使用する<strong>mpv以外の</strong>クライアント(Linuxのcelluloidなど)の場合はハイフンを用いた標準入力からの受け取り指定ができないこともある。手元のLinuxではとりあえず一旦m3uファイルに書き込んでからそれをcelluloidに渡すように変えてある(自明なのでここでは省略)。celluloidなどを使う場合も、適宜オプションを指定すること。</pre> | |||
== ショートカットキーからの起動 == | == ショートカットキーからの起動 == | ||
上記の実装では引用符の入力など多少の回りくどいキーボード操作が必要である。URLはクリップボードに入っているので、ショートカットキーから起動することももちろん可能である。ただし再生曲数を入力するためのダイアログは必要である。以下のAutoHotkeyのスクリプトの例では、Ctrl+Alt+Shift+Lを押すと入力ダイアログを表示して再生曲数を取得し、ytp.batを起動する。 | 上記の実装では引用符の入力など多少の回りくどいキーボード操作が必要である。URLはクリップボードに入っているので、ショートカットキーから起動することももちろん可能である。ただし再生曲数を入力するためのダイアログは必要である。以下のAutoHotkeyのスクリプトの例では、Ctrl+Alt+Shift+Lを押すと入力ダイアログを表示して再生曲数を取得し、ytp.batを起動する。 | ||
< | <syntaxhighlight lang="visual basic">^!+l:: | ||
InputBox, play_numbers, Gapless Play YouTube, Enter the number of tracks to play ( | InputBox, play_numbers, Gapless Play YouTube, Enter the number of tracks to play ("" or "0" will play to the end) | ||
Run ytp.bat | Run ytp.bat "%clipboard%" %play_numbers%</syntaxhighlight> | ||
英語は間違っているかもしれない。 | 英語は間違っているかもしれない。 | ||
ダイアログはvbsのInputboxでも出せるが、Windows標準のショートカットキーの設定(ショートカット(←これはファイルの形式のこと)に対して設定できる)は若干管理しづらいイメージがあるためAutoHotkeyをおすすめしておく。 | ダイアログはvbsのInputboxでも出せるが、Windows標準のショートカットキーの設定(ショートカット(←これはファイルの形式のこと)に対して設定できる)は若干管理しづらいイメージがあるためAutoHotkeyをおすすめしておく。 | ||
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